フィギュア靴+セミスピード・ブレード

あるとき、貸し靴付きの券を知り合いから安く買い取った。
そういえば、ホッケー靴は履いたことがあるが、セミスピード靴はなかった。
フィギュア靴でもスピード・スケートのフォームでそこそこ滑れるようになったし、
スピード靴で滑るとどうだろう・・・というのがそもそものきっかけである。

エッジを平砥石で仕上げるスピードスケートのブレードは、実際に履いてみると
フィギュア靴ならグリップするフラット・エッジではグリップが殆どない。
重心を真下に落してはいけないのだ。
しかも、滑ろうとしてもエッジを当てる角度が正しくないらしく、フィギュア靴で
グリップしていてそこそこ加速出来る角度でも、スリップして氷を捕らえることが出来ない。
イン・サイドにもそういう傾向があるが、アウト・サイドはもっと厳しい。
なるほど、自分のエッジ・ワークは、ブレードのグリップ特性に大きく依存しているわけだ。
このグリップしにくいスピード靴でグリップさせることこそ最適で確実な位置、角度での
踏み込みが出来るというもの。
ということで、セミスピードのブレードを購入して、古いフィギュア靴につけた。
フィギュア靴でないと足首が持たない感じだし、スピード靴は踵が平坦なので、
普段フィギュア靴を履いているとスピード靴にしたとき踵が沈み過ぎる。
フィギュア靴をメインにと考えているからそれは困るのだ。
ということで、前代未聞のフィギュア靴+セミ・スピード靴の完成。
乗り位置が足指の根元にある感じで、貸し靴より前に重心が来るため若干カーブしやすい。
貸し靴を含めセミスピード靴3日目にして、まだ不安定ではあるものの角度はかなり矯正された。
アウト・サイドの矯正は、本来アウト・サイドで行うべきとろをイン・サイド・エッジで受けてみて、
アウト・サイド・エッジをそれと平行に出来るだけ近い位置に置いてパラレルで滑ってアウト・サイドに
置き換えるという方法で、次第に正しい角度が把握出来るようになった。
更に、エッジをスリップさせないためには、重心位置を考えながらイン−アウトのエッジを明確に
使い分けることが要求されるので悪い癖の幾らかはこれで取れると思う。
エッジのグリップに関しては、体を倒して深いエッジに傾ければグリップすることと、
ある程度の速度で滑っている際にカーブしないくらいの微妙な角度で進行方向を内側に折ると
直進成分をサイド方向へ押し付ける力に変換することが出来るのは分かっていた。
ただ、スピードスケートで直進V字ストロークを行う場合、スラスティングの押す力を
スケーティング・レッグのイン・サイドで受けて踏み込むようにしないと十分なグリップが得られないことと
腕の振りもエッジのグリップと氷を押す力に寄与していることが分かった。
正しいスケーティングには、フラット・エッジというものはないと言ってもいいかもしれない。
思いきりクロス・オーバーで踏み込めるようになってみると、低姿勢で重心をぐっと前に持って行き
スラスティングの後半からじっくり氷を押すと後になる程有効に氷が押せて速度が伸びる感触が得られた。
フィギュア靴と違い、ブレードを傾けてもあまりカーブしないのでそこまでの伸びを感じることが出来たのだろう。
思うに、下手にスラップ・スケートにするより、ハイヒールにした方が、氷を有効に押せそうな気がする。
私は、この靴とブレードでアクセル・ジャンプをやってみたい。

フィギュアスケートをやっている人も、確認の意味でスピード靴を一度履いてみることを勧めたい。

(C)2001 ICE_NINJA ALL RIGHTS RESERVED.

0 件のコメント:

コメントを投稿