道具・装備(4)

2024年1月、新しい靴を購入。

古い靴は、10年以上使ったことになる。
使用頻度は、月2回くらいだし、ジャンプやスピンはあまりやっていないから
滑走だけならこれくらい持つということだ。
とはいえ、一番上の紐穴は、皮が切れたので、その内側に穴をあけて使った。


靴底が剥がれて浮いている。


これは、クロスの際などに傷ついた部分の末路。


靴底が変形した感じだし、ヒモの締め方によっては、エッジが深くなったとき
ガタッとくることがあった。
新しい靴にするなら、競技用のグレードの靴にするつもりだったが、
慣れるまで部分的に当たって痛みが出たり、2〜3ヶ月は、足首の曲げに制限が出て
不自由な思いをするので、使えるうちは古い靴の方が良かったりする。
新しい靴の候補としては、一番安いグレードの競技用の靴で、
形としてはマルジュウのT-37に近いものが欲しいと思った。
一時期、ベロの内側にウレタン素材を使ったものが流行ったが、
ウレタン素材は、ボロボロになって10年持たないのでそういうのも除外。
まず日本製を考えたが、どうも工場閉鎖するとか聞いたので候補から外した。
川崎マイスターの靴職人もそろそろ引退か。後継者は居ないのだろうか。
また国産の靴は軽量化はあまり考えていないようでもあった。
海外は、円安だし自分が使っていた通販サイトもジャクソンしか扱わなくなったので
今回は通販では買わないことに。
日本の選手の使用実績があり日本の販売店で買える海外メーカーで言えば、
RISPORTかEDEA辺りになる。
EDEAのOvertureを試し履きしたが、履き心地は良かったけれど見た感じも
履いてみても皮が薄い感じで、自分には硬さが足りない気がした。
買ったのは、RISPORT ELECTRA LIGHT (PPH3020) 27.0 黒 (標準幅=C)
自分が履いている普段の靴は、26cm。店で計測すると足のサイズは25.5cm。
RISPORTの靴のサイズは、足のサイズではなく靴のサイズらしく、
足のサイズの+1cmくらいになるらしい。
横幅は、Riedellと似たようなものだろうと予想していたが、大体そんなもの。
Riedellは、土踏まずの部分が当たって少し痛かったが、今回は親指の根元。
足の幅に合わせて切って削ったかまぼこ板にプラ板を貼って、靴の内側を
グリグリ押して柔らかくしたら当たらなくなった。

オーブンフィッティング対応の靴らしいが、それに頼らず、柔らかくしたいところだけ
スポットで柔らかくして耐久性を保ちたいと思いそうした。
実際の足の形とインソールを比較するとだいぶ違う。外反母趾は避けられないだろう。
もし、NewBalanceがスケート靴を作ったらどういうものになるだろう。

重さに関しては、とにかく軽い。
靴だけ片方 670g
ブレード+靴片方 1060g
靴底の縦サイズを測ると、Riedellより5mm短かった。
Riedellの靴は、Gold Seal 10+1/4 を取り付けるのに若干つま先を開けるくらいが良かったが
今回のRISPORTの靴では、丁度良くなった。

ブレードを止めるネジは、RISPORTの靴付属ネジを使うように注意書きがされていたが、
付属のネジは普通のネジの様だ。
前側の方は、他の靴と変わらず下穴無しで止められたが、踵の方はプラスチック素材が
使われていて、下穴無しではネジが入らなかった。今回下穴は、2.6mmのドリルを使用し
ネジの長さまで穴をあけておいた。
足首は、V時の切り欠きが無いので、紐の締め方で上の方を緩めないと深く曲げられない。
しかし、紐をしっかり締めた状態でも足指の根元に重心が来るようなので、
乗り位置を適正に保つ意味では、そんなに足首を曲げる必要も無いようだ。
中敷はスケート靴のクッション性を高めると、紐を締めたとき血流を阻害することになり
そのために足が痛くなったりするので、あまり良くないと思う。
特に靴底がふわふわしていたらエッジのコントロールも出来ないし。
試し履きのときに、靴底の親指辺りが低く感じたのだが、中敷きの発砲ポリエチレンが
他の人の試し履きで潰されて窪んでいたようだ。
発砲ポリエチレンは、強く圧縮すると、半分くらいまでしか戻らない。


踵の高さの謎

自分にとって2番目の靴、マルジュウのT-37は、足指の根元、つまりフィキュアの乗り位置に
半ば強制的に重心が乗る靴だった。
最初、それは踵が高いため足指の根元に重心が来るのだと思っていたが、それだけでもないようだ。
踵の高さは、背面で5mm程違うが、足指の根元にかかる加重は、その差では説明出来ない。
土踏まず部分が短いと言うべきかもしれないし、靴の背面形状が常にある程度足首を曲げる様に
なっていてそれによって乗り位置に重心が来る様になっているとも考えられる。
写真を見比べると何となくその辺りが見えてくると思う。
RISPORTにしてから、足の裏の筋肉がキツくなった。鍛え直さないと。






キチッと紐を締めてもこのくらい足首が曲げられ、これによって乗り位置に重心が来ている。


2024年2月、新しい靴のその後

2回目以降、親指の当たりは、ほぼ大丈夫になっていたが、足裏の筋肉不足とかで、
滑走開始時に少し痛みが出たり、4時間くらいで限界が来るとかそういう感じ。
毎週1回で1ヶ月後。足裏の筋肉は必要量付いたと思う。
しかし、足の裏だけでなく全身で見ても使う筋肉がだいぶ変わって、色々と微妙に変わっている。
踵が高い靴になって、スリーターンの軸が踵に近くなって小回りが利く感じになったり。
今まで連続ブラケットも大回りしていたのだとわかる。
体を傾けてみると、ずいぶん大きく傾けることが出来、深いエッジに乗れていなかったのだとわかる。
普通に滑走する分には良いが、ジャンプに関しては、駄目な靴でやっていた感じがする。
1ヶ月経って、乗り位置がまた少し踵に近づいて、親指の当たりが靴ひもの穴前から3つ目で
当たっていたのが、3つ目と4つ目の間にズレて来た。
また、かまぼこ板で矯正するかと思ったが、ヒートガンを持っているので、ヒートガンで暖めて
部分矯正してみたところ、当たっていた部分が当たらなくなった。
革が柔らかくなっているので、オーブンフィッティングも効きやすくなっているだろう。
購入時にオーブンフィッティングしても、ある程度の動きの範囲があるのと、実際に体重を
かけないと形状は変わってくるので1回で最適な状態にはならないと思うが、
それでも、大まかにフィッティング出来ればだいぶ違うのだろう。
やはり、落ち着くまでには、3ヶ月くらいかかりそうだ。
足首はまだ、Shoot The Duckが出来る程曲げられない。

2024年5月、新しい靴のその後(2)

3ヶ月毎週1回くらいのペースで使用しているが、右足はほぼ問題ない状態になった。
左足は、依然として親指の根元が当たる。
ヒートガンを使えば、指で押してへこむくらい柔らかくなるので、
十分軟化させられているし靴を履いた状態で充分冷やして店でやっている様に
しているのだが、そこから半日置くと縮むのか元に戻ってしまうような感じで、
出かける直前に暖めてフィッティングさせることを何度かやって来た。
出かける前に形成すると、当たる様になってもまだ収まりがつく。
当たりを防ぐのだから、靴下2重に履いて形成するのが効果的だった。
また、インソールも厚かったので、一般用の薄い物に変えると余裕が出て
当たりにくくなった。
左足は、少し良くなったり、また当たる様になったりでそれを繰り返すことにより
タコが出来て盛り上がり、更に事態が悪化したようだ。


硬さ45らしいが、200くらいではないかという鉄壁な硬さ。
丁度当たる部分に型くずれを防ぐ何かのガイドが入っている様に見える。


硬さは長持ちして欲しいのだが、オーブンフィッティングの靴は、普通の革のように
履くうちに柔らかくなる感じではない。
オーブンフィッティングの靴が、革に熱可塑樹脂をしみ込ませたような物だとしたら
5年程でプラスチックの重合が解けてボロボロに風化してしまう可能性がある。
そのときが寿命で、そのときまではそこそこの強度を保つと予想している。
店での試し履きの際には、ほとんど問題を感じなかったのだけど、実際にブレードをつけ
滑走してみるとだいぶ違うことが分かった。
コブ出しが必要なレベルだと、オーブンフィッティングは、助けにならない。
紐の締め方で靴が斜めに変形するとか、ズレなどで毎回コンディションが違う。
左足の親指根元の当たりがなかったとしても、まだ、トウ・ループでトウをつくと少し痛いし
これらが落ち着くには、あと3ヶ月くらいかかりそうな気がする。
今回、真冬に靴を新しくしたのだが、オーブンフィッティングの熱可塑樹脂の特性を考えると
夏に新調すべきだったと思う。恐らく15度くらい違うので夏の方が革の部分がもっと早く
柔らかくなっただろう。
紐の穴の辺りは、だいぶ柔らかくなって来ているし足首もだいぶ曲げやすくなった。
さて、問題の指が当たる部分だが、今回はバラ緩衝剤(発泡ポリプロピレン)を潰して
穴を開けたものを使用して乗り切ることにした。

100円ショップや薬局で外反母趾保護パッドとして売られているものも同様に使えるだろう。
当たる部分をそのままにしておくと、当たった部分が盛り上がり悪循環になるので、
その周囲で押さえるのが良い。

踵が高い靴対応

踵が高いスケート靴を履くのに、足指の根元に体重をかけると足の裏が痛くなる場合、
足の裏の筋肉の鍛え方が足りないのだが、男性用の普段靴に踵が高い物はほとんどない。
しかし、最近、ハンズで踵を上げるインソールを売っていたので買って試してみた。
厚さ3.5cm。


普通のスニーカーだと、踵に足が入り切らないのは確かなのだが、実用上問題無さそう。
踵に体重をかけないし、靴ひもでしっかり固定されるので踵が浮くようなことも無かった。
筋肉がついてからだと、インソールを入れても入れなくてもあまり差を感じなくなったので
使わなくなったが、シーズンオフで滑走出来ない人にも良いかも。
これを使わないで、階段の駆け上がり、駆け下りで鍛えるのも有効。

RISPORTの靴の事情

店で話を聞くと、現在のモデルは、Cタイプ(普通幅)しかないらしい。
2〜3年前のRF3プロには、Dタイプ(幅広)があったようだ。
ただ、Dタイプが廃止になった分、Cタイプを従来より幅広にしているらしい。
日本用は、Dタイプを標準にしないと困る人多いのではないかな。
左親指にタコが出来たという話をしたら、ブレードの取り付け位置が一因かもと言われた。
これについては、部屋で体重かけずにただ履いただけで痛いし、小指の方も当たっているので
関係ないだろう。
店で買った靴なら無料でコブ出ししてもらえるらしい。

自分でコブ出しに挑戦

検索するとコブ出し器は、13万円くらいで売っていた。
しかし、ホームセンターで買えるもので安く出来る筈。
揃えたのは、クランプ、化粧ナット、かまぼこ板。
下の写真は、クランプと化粧ナット


ヒートガンで暖めてから、プレスして冷えるまで置くと、オーブンフィッティングも助けになる。


いい感じにコブだし出来たと思う。



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